梅は冷凍をすることで梅の果肉の繊維がもろくなり、
梅エキスが抽出しやすくなります。
冷凍梅を使って梅シロップを作ることで、
梅シロップが出来上がる期間を短縮できるわけですが、
より完成することで梅シロップからカビが生えたり
発酵してしまう失敗も防ぎやすくなります。
また梅は冷凍で保存可能な植物なので、
冷凍庫に梅を入れておけば、実は1年中いつでも
梅シロップや梅酒づくりを楽しむこともできます。
冷凍梅は、凍ったまま梅シロップに漬けても良いですし、
梅をいったん解凍させてからつけても良いですが、
余分な霜が溶けて水になると、カビが生えやすくなります。
冷凍梅に付着した霜を全て取り除くのは難しいですが、
できるだけ霜を取ってから梅シロップの瓶に入れていくのが良いですよ。
目次
冷凍梅で梅シロップを作るメリット
梅シロップ作りの手順を簡単に説明をすると、
消毒した瓶・容器に梅と砂糖を1対1の割合で入れるだけでOK。
後は、1日に数回くらい瓶を振って
梅と砂糖を混ぜるようにすれば2週間くらいで
梅シロップが完成します。
買ってきた梅を水洗いして汚れを鵜拭き取り、
ヘタを取ったら、そのまま梅シロップに漬けても良いですが、
梅を冷凍して梅シロップにする人も多いです。
梅を冷凍するとどんなメリットがあるのかというと、
- 梅シロップの出来上がり期間が早くなる
- 梅シロップがカビたり発酵しにくくなる
- 冷凍梅のまま保存できる
といった点があります。
梅シロップの出来上がり期間が早くなる
梅をはじめとして野菜や果物は冷凍をすることで、
果肉の繊維が崩れていきます。
たとえば、リンゴを凍らせてから解凍してみると、
半分シャーベットのようになった新感覚のスイーツになります。
梅シロップでは砂糖の持つ浸透圧によって
梅から梅エキスを絞り出していくわけですが、
果肉の繊維が崩れることによってエキスが漏れやすくなります。
より速く梅エキスの抽出が進むことによって、
梅シロップの出来上がりが早くなるわけです。
梅シロップは早ければ10日くらいで完成しますが、
梅から梅エキスがほぼすべて出て行ったかどうかは、
梅がシワシワになっているかどうかでわかります。
数粒の梅以外はほぼシワシワになっていたら、
梅シロップ完成のサインなので、カビたり発酵するまえに、
さっさと梅を取り出すようにしましょう。
梅シロップがカビたり発酵しにくくなる
梅シロップづくりで良くある失敗は、
梅からカビが生えて梅シロップが飲めなくなってしまったり、
梅シロップが発酵して不味くなってしまうこと。
どちらも、梅をしっかりと洗っていなかったことや、
梅シロップの瓶の消毒が不足していたことが主な原因ですが、
梅が梅シロップの中に長く浸かっていればいるほど
カビや発酵のリスクが高くなります。
冷凍梅を使う場合、梅シロップ作りの期間が短くなるわけですが、
梅シロップがカビたり発酵したりして、
飲めなくなる失敗が起きにくくなります。
冷凍梅のまま保存できる
青梅をスーパーで買った場合でも通販した場合でも、
できれば買ってすぐに青梅は梅シロップに漬けたほうが良いです。
青梅は放っておくとすぐに熟成が進んでしまい、
2,3日もすると黄色や赤色が目立つようになってきます。
完熟梅に近づいていき、完熟梅でも梅シロップを作ることはできるものの、
カビや発酵のリスクが青梅の状態よりも高くなるので、
失敗したくない場合は青梅で梅シロップを作るのが良いです。
ただ青梅を冷凍すれば、熟成を抑えることができます。
梅シロップや梅酒づくりの時期と言えば
青梅が出回る5月下旬から6ヶ月下旬のたった1ヶ月くらいしかありませんが、
梅を冷凍保存しておけば、夏でも秋でも自分の好きな時に、
梅シロップを作ることができます。
デメリット?冷凍梅だと梅シロップの風味が落ちる?
冷凍梅で梅シロップを作ると短期間で梅エキスを抽出できるので、
カビたり発酵しづらくなるものの、
風味が落ちる?という口コミをチラホラ見かけます。
それに対して「冷凍梅で梅シロップを作ったけどおいしかった!」
という口コミもよく見かけますし、
昔から冷凍梅で梅シロップを作ってるよ!という家庭も多いです。
冷凍梅だと梅シロップを作ると、
必ずしも風味が落ちるわけではないようです。
どちらかというと、どの種類の砂糖を使ったのか(氷砂糖?黒糖?キビ砂糖?)
によって梅シロップの風味が変わってきますし、
梅の実の種類によっても梅シロップの風味は変わるので、
冷凍したことが梅シロップの風味を劇的に変えることはなさそうです。
梅シロップで冷凍梅の霜はどうする?
冷凍梅で梅シロップを作る際に、意外と厄介なのは、
冷凍庫から冷凍梅を取り出すと霜がついていること。
霜が溶けると当然、水になってしまうので、
霜は取り除いたほうが良いです。
ただ、冷凍した梅の霜を取り除いても、
次から次へとうっすらと白い霜がついてしまったり、
霜が出来なくても水滴が梅についてしまうこともあります。
拭いても拭いても霜や水が出てきてしまい、
いたちごっこのような状態になってしまうわけですが、
霜を完全に取り除くのは諦めるのが賢明です。
梅シロップの便の中に余計な水分が入ってしまうと、
確かにカビが発生しやすくなるものの、
適切に管理をしていれば、カビの発生を抑えることができます。
1日1回以上は瓶を振り混ぜるようにして、
一部の梅をずっと表面に浮かんだ状態にしない
(空気に触れた状態にしない)ように気をつけていれば、
カビも発酵も起こりにくくなります。
※カビの繁殖にも発酵にもどちらも空気が必要なので、
梅シロップの中でカビが生えることはありません。
梅シロップの時期は冷凍梅に霜はできやすい!
梅シロップを作る時期と言えば6月初旬がピークになります。
この時期と言えばちょうど梅雨で湿度が高い季節。
空気中にたくさんの水分が存在しているわけですから、
冷凍梅にはどうしても霜が付着しやすくなります。
冷凍梅をいったん解凍してつけても良い
冷凍梅を凍ったまま梅酒シロップに漬けるのが一般的ですが、
冷凍梅をいったん解凍してから梅シロップに漬ける人もいます。
どちらのやり方で梅シロップを付けても良いんですが、
冷凍梅を解凍する場合、梅の果肉の繊維が崩れているので、
通常の青梅よりも非常に柔らかく潰れやすくなっています。
梅シロップに梅を漬ける前にヘタを取る作業がありますが、
解凍した梅を潰さないように気を付けましょう。
潰れてしまった梅を使って梅シロップを作っても問題はないものの、
梅シロップの出来上がり濁ったりすることがあります。
ただ、梅シロップの風味にはそれほど影響はありません。
冷凍梅の霜の量をできるだけ減らすコツ
冷凍梅の霜をできるだけ少なくするためには、
冷凍する際に一手間加えると良いです。
おそらくは、冷凍梅をそのまま冷凍庫に入れるんじゃなくて、
袋にまとめて冷凍庫に入れていると思いますが、
袋からはできるだけ空気を抜くようにします。
そして冷凍庫にすぐに梅を入れるんじゃなくて、
いったん、冷蔵庫に入れて冷やします。
冷蔵庫の庫内は、一般的に湿度が10%程度しかないので、
袋に入った水分を冷蔵庫の中で飛ばすことができます。
梅シロップで子供も大人も夏バテ防止!
梅シロップが出来上がるのは、早ければ6月中旬、
遅くとも7月初旬には梅シロップの飲みごろになりますが、
このくらいの時期から夏バテがチラホラ始まりますよね。
梅は昔から滋養強壮の効果があって夏バテ対策に良いとされていますが、
梅に含まれるクエン酸に疲労回復があるからです。
梅には他にも
カルシウム、カリウム、リン、鉄などのミネラルや、
ビタミンC・ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・なども豊富に含まれているので、
汗と一緒に流れ出ていった体内のミネラル分も効果的に補給することができます。
夏バテ対策には梅シロップが心強い味方になってくれるわけですが、
ただ梅シロップをキンキンに冷えたサイダーで割ったり
氷をたくさん入れて飲むのは、夏バテ対策の効果を下げてしまうかもしれません。
夏バテする人の特徴としては、そうめんや冷やしラーメンのように、
食べやすいものばかりを食べたり、もしくは冷たいジュースをたくさん飲む傾向があります。
偏った栄養バランスと冷たいものばかりを食べてしまうことが、
胃腸に負担を掛けて胃腸疲れをまねきます。
夏バテ気味だと食欲が落ちてしまうのも胃腸疲れが関係しています。
夏バテ対策に梅シロップを飲むのであれば、
あまり冷やさない状態で飲むのが良いですよ。