園芸用品店などで買ってきたバジルの苗には、
1苗あたりの株数は10株前後となっているはずです。
バジルの苗を買ってきたままプランターや鉢に植えても良いですが、
バジルの株を分けて植えると、株の無駄を減らすことができます。
バジルの成長を促すことを考えると、
株が一か所に密集している状態は好ましくないので、
間引きをしていって最終的には1株に減らさないといけないからです。
バジルの苗を株分けする際、
根っこをちぎらないように1本1本を丁寧にほぐしていくのも良いですが、
面倒であれば多少は根っこが千切れても良いので、
ざっくりと、2~4株くらい分ける感じでもOKです。
苗から株分けしたバジルをプランターや鉢に植えたら、
土の表面が乾かないように気を付けながら水やりを続けましょう。
バジルの成長に合わせて摘心をしたり、
適切なタイミングで追肥をすることで、
バジルの収穫量を増やすことができます。
ちなみに、家庭菜園初心者がやりがちなバジル栽培で失敗ケースは、
水のやりすぎor水不足、肥料のやりすぎor肥料不足です。
水と肥料の過不足がバジル栽培失敗の大きな要因なので、
適度な水やり・追肥を心がけましょう。
目次
バジルの苗の選び方
バジルの苗の選び方は別に難しいことはなくて、
見た目の印象でみずみずしくて元気のあるものを選べばよいです。
虫に食われて葉に穴があいていたり黒い斑点もなく、
茎が太く節が詰まっているバジルを選ぶようにしましょう。
業者としてもハーブの苗は大量生産・大量消費が前提なので、
苗一つ一つにそこまで管理の目は行き届きません。
苗を作る過程で水が多く与えすぎてしまって根が茶色く腐ってしまったり、
栄養不足で葉が黄色くなりかけて、弱っている苗を選ばないように気を付けましょう。
苗を裏返してみてポットの底から健康的な白い根が見えていれば、
非常に良いバジルの苗だと言えます。
時期はGW過ぎ(5月中旬)頃がおすすめ
バジルを育てるのに適した時期(6月以降)に合わせて、
GWが過ぎてから苗を買うようにしたほうが良いですよ。
バジルの発芽・成長に適した温度は平均気温が20度以上とされていて、
苗ならば発芽の心配はないものの、
気温が低いと成長に悪影響が出てしまいます。
バジルに限らず、植物というのは発芽して間もない時期の成長が重要で、
この時期にしっかりと成長させることが、
その後の収穫量にも大きく影響するので、
バジルの適した時期が来るまで苗を買うのは我慢しましょう。
バジルは種と苗のどっちが安い?おすすめは?
園芸用品店に行くとバジルの苗は1苗108円とか非常に安くて、
高くても200円を超えることはほとんどありません。
一方、バジルの種も同じく108円程度で売られていて、
苗よりもたくさん入っています。
数から考えると、間違いなく
種から育てたほうがお得なように感じるものの、
バジルの種を1袋全て使い切るのは逆に難しいものがあります。
1シーズンで使い切れなかったら
来年に使えばよいと思うかもしれませんが、
種というのは保管方法が悪いと発芽率が悪くなるので、
基本的に古い種は使えないと思ったほうが良いです。
バジルを種から育てるとなると発芽させる手間もかかるので、
できるだけ手軽にバジルを育てないのであれば、苗から育てるのが良いです。
ただバジルを水耕栽培一本で育てるのであれば、
種から育ててもそれほど手間はかかりません。
バジルのポット苗の株分けの仕方
バジルの苗をポットのままプランターに植える育て方もありますが、
1株を残して残りすべての株を無駄にすることになるので、
効率性から考えるとあまり良い方法ではありません。
バジルを5株育てたいと思ったら、
単純にバジルの苗を5つ購入しなければいけません。
少し手間はかかってしまいますが、苗をほぐして株分けをしてから、
プランターや鉢に植えるのがオススメです。
バジルの苗を1株単位に株分けする方法
バジルのポット苗の株分けする際は、
根っこを傷つけたりちぎらないように気を付けることと、
根っこは非常に日の光に弱いので、直射日光の当たらない日陰が、
室内で作業をすることが肝心です。
ポットから取り出した土付きのバジル苗は、
茎が中心付近に集中しているのに対して
根っこがポット全体にびっしりと張り巡らされています。
根っこを傷つけないように土だけを振るい落とすには、
バケツや洗面器などに水をはって、水の中で作業をします。
バジルの苗を振るように土を落としていき、
水が濁って中が見えなくなったら、その都度、水を交換します。
バジルの根っこが丸裸になってきたら、
一番外側のバジルの茎の根元を軽くつかんで、
優しくゆっくりと他の根から離していきます。
面倒なら手で2~3株に株分けもOK
バジルの苗から1株つずつ株分けするのは、あまり楽な作業じゃないし、
慣れていないと根っこが切れてしまってガッカリすることも多いです。
そこで、根っこが切れてしまうことは承知の上で、
ざっくりと手で2~3株に株分けしても構いません。
5株とか6株に分けるなら、1株が全滅する可能性も高くなりますが、
2,3株程度に株分けをするのであれば、
手でさっと株分けしてもバジルは育ってくれるでしょう。
■バジルのポット苗の植え方・植え替え方法
バジルをポットの苗のままプランターや鉢に植えるにしても、
株分けして植えるにしても、
株同士の間隔を十分に広げるようにしましょう。
バジルは20センチ程度の株間を空ける一般的です。
株分けしたバジルを植える際は、
根っこをできるだけ広げてあげると良いです。
自分で育てたバジル苗を植え替えする場合
バジルを自分で種から発芽させて苗を作った場合も、
植え替えのやり方は買ってきた苗を植えるのと同じです。
バジルを植える間隔は20センチほど空けるようにして、
植え替え後は多めに水を上げるようにしましょう。
少なくともプランターや鉢の底から水が流れ出てくるくらいが
最初の水やりの目安です。
苗のバジルの育て方
バジルを苗から育てる場合、発芽の心配をする必要はありませんが、
バジルの収穫量を増やすには、
バジルの成長に合わせて適切な手入れをしないといけません。
具体的には、
- 春・秋は水のやりすぎ・夏は水分不足に注意
- 下の葉が黄色くなると肥料不足のサイン
- バジルを育てるのにオススメの土とプランター
- 花はつぼみの段階で摘み取る
- 早目の虫除けで害虫対策する
といった点に気を付けるようにしましょう。
春・秋は水のやりすぎ・夏は水分不足に注意
バジルは乾燥を好む(乾燥に強い)ハーブだと言われますが、
実際にはバジルの成長には水を欠かすことはできません。
基本的に毎日の水やりが必要になりますが、
季節に応じて水の量に気を付けるようにしましょう。
平均気温が20度をようやく超えるような春・秋は、
土の中の水分蒸発量はそれほど多くはないので、
朝か夕方のどちらかのタイミングで1日一回水やりをすれば良いです。
ただ、最高気温が30度を超えるような夏は、朝に1回水やりをして、
夕方くらいに土の表面の乾き具合を確かめて、
乾いているようならば1日2回は水やりをすると良いです。
また、バジルの成長には太陽の光も欠かせないものの、
日光に当てすぎると日焼けして逆にバジルを傷めてしまうので、
日陰で育るのが良いです。
下の葉が黄色くなると肥料不足のサイン
バジルを含めてどんな植物を育てるにして肥料は欠かせません。
ただ肥料を与えすぎると根腐れを起こしてしまったり、
害虫を繁殖させてしまうことがあるので、
適度な肥料の追加(追肥)を心がけなければいけません。
では、バジルの追肥はどんなタイミングでやるのが良いかというと、
バジルの茎の下の葉の色で確認をすると良いです。
葉が黄色くなると肥料不足だと考えられるので、
ハイポネックスのように即効性のある液体肥料(液肥)を
追加するようにしましょう。
ハイポネックスにもいろんな種類がありますが、
「観葉植物用」と書かれたものがオススメです。
バジルは葉を食べる植物なので、
「観葉植物用」であれば葉の成長を促す
「窒素」の割合が多くなっています。
バジルを育てるのにオススメの土とプランター
バジルを育てるには市販されている
- 花と野菜の培養土
- 野菜の培養土
でも構いません。
園芸用の土というのは非常に清潔で、
無菌に近い状態にしてくれているので、
虫の心配もかなり小さくなっています。
保水力と吸水性、通気性にも優れているので、
バジル栽培初心者は市販の土を買うのが良いです。
もし自分で土を作りたいのであれば、
赤玉土と腐葉土と7:3の割合で混ぜるようにしましょう。
もう一手間加えるのであれば、バジルは弱アルカリ性の土を好むので、
苦土石灰を少し混ぜると良いです。
バジルを鉢に植えるなら鉢ひとつで1株を育てるようにして、
プランターで複数のバジルを育てるのであれば、
20センチ間隔を空けられるように気を付けましょう。
摘心の時に花はつぼみの段階で摘み取る
バジルが順調に育つと7月後半から8月にかけて花を咲かせます。
小さくてかわいらしい花ですが、
花を咲かせるために栄養やエネルギーが奪われるので、
バジル収穫のことを考えると花はできるだけ早めに摘み取ったほうが良いです。
花が咲いてからでは遅いので、
バジルの花のつぼみを見つけ次第、摘み取ってしまったほうが良いです。
バジルの収穫量を増やすには摘心(葉の間引き)する必要がありますが、
摘心は1度や2度だけではなくて、葉が重なってきたらその都度やるものです。
摘心の時についでに花のつぼみができていないか確かめるようにしましょう。
早目の虫除けで害虫対策する
摘心では花のつぼみを見つけるだけじゃなくて、
バジルの葉っぱの状態も確認して虫の発生にも気を付けましょう。
バジルにもコバエやアブラムシなどの害虫が寄ってきます。
虫除け効果のあるミントなどを寄せ植えしても、
害虫がバジルによって来ることはあるので、
虫でバジルが食い荒らされたり枯れたりしないように、
毎日の観察が大切です。
もし虫が発生してしまった場合には、木酢液などを振り掛けたり、
唐辛子を使った手作りの虫除けスプレーを吹きかけます。
土から虫が湧いているような場合には、
土がだめになっている可能性があるので、
新しい土に交換したほうが良いかもしれません。