パワーウィンドウ故障|閉まらない・開かないパワーウィンドウ修理代

新車やレンタカーで初めて乗る車であれば
パワーウィンドウが動かない(開かない・閉まらない)のは、
チャイルドロックや安全装置の誤作動の可能性が高いです。

た、今までは正常にパワーウィンドウが開閉していたけれど、
ある日・ある時点を境にいきなりパワーウィンドウが、
開かない・閉まらない状態になった場合。

パワーウィンドウのスイッチをカチカチ押しても
窓ガラスが開かない・閉まらないといった場合には、
パワーウィンドウ周りの部品が故障している可能性が考えられます。

パワーウィンドウは、意外と単純な作りになっていて、
窓ガラスを物理的に上げ下げしている機構(レギュレーター)か、
もしくはレギュレーターを動かしているモーターのどちらか、
もしくは両方の故障が疑われます。

とりあえず、窓ガラスが中途半端に開いた状態だったり、
パワーウィンドウが閉じないにしても窓ガラスが
ちょびっと出ているようならば、手で無理やり引っ張り出すことで、
応急処置することができます。

パワーウィンドウ故障の応急処置と仕組み

パワーウィンドウというのは、
電気のパワーで窓を開けたり閉めたりする機能で、
最近の乗用車であればほぼすべての車種がパワーウィンドウになっていて、
手動で窓を開けたり閉めたりするタイプはほとんど見かけなくなりました。

パワーウィンドウだからと言って、複雑な仕組みになっているわけじゃなくて、
スイッチを押すことでモーターが作動し、モーターのパワーによって、
レギュレーターという装置が動き出します。

レギュレーターはアームやワイヤーを使って物理的に
窓ガラスを上げたり下げたり(開けたり閉めたり)する部品です。

手動で引っ張り上げて応急処置

パワーウィンドウは結局、レギュレーターによって、
窓ガラスを上げたり下げたりしているだけなので、
仕組み自体は意外と単純です。

中途半端に開いた状態の窓ガラスを力づくで開ける(下げる)のは、
レギュレーターを破損させる可能性があるものの、
閉める(上げる)分には特に問題はありません。

手で引っ張れるようであればとりあえずは窓ガラスを上げて、
窓を閉めた状態にすることはできます。

ただ、車検の時にパワーウィンドウが故障していることが発覚すると、
車検に通らない可能性があります。

閉まらない・開かないパワーウィンドウの故障原因

正常に動いていたパワーウィンドウが動かなくなった場合には、
部品故障が原因として考えられますが、具体的には、

  • スイッチの故障
  • レギュレーターの故障
  • モーターの故障

という3つの原因が考えられます。

スイッチの故障

ドアに設置されているパワーウィンドウのスイッチが故障して、
パワーウィンドウをONの状態にできなくなることがあります。

スイッチはプラスチックでできている部品ですし、
運転席であれば頻繁に触れているはずです。

スイッチ内部で電気配線が断線していたり、
スイッチ自体が破損・損耗したりしていて、
パワーウィンドウが作動しなくなることがあります。

パワーウィンドウのスイッチを押した時に、
いつもよりもスカスカしていたり、
そもそもスイッチが沈みっぱなしで押せない場合は、
スイッチ故障の可能性が高くなります。

もしくは、他のドアのスイッチならばパワーウィンドウが動くけれど、
運転席のスイッチを押した時に動かない場合にも、
スイッチ故障が起きていると考えられます。

レギュレーターの故障

レギュレーターにはワイヤー式とアーム式の2つの方式があり、
最近の車は省スペースのワイヤー式が主流となっています。

ワイヤー式レギュレーターが故障(ワイヤーが断線)していた場合、
窓が突然開閉しなくなることが大きな特徴で、
スイッチを押してもモーターの作動音が聞こえるだけになります。

窓ガラスがガクンと落ちる「窓落ち」が起きることもあるのも、
ワイヤー式レギュレーターに見られる故障です。

アーム式レギュレーターの場合、
パワーウィンドウが完全に動かなくなる前に、
いくつか予兆が見られます。

スイッチを押すと異音が聞こえたり、
パワーウィンドウの動作がガクガクしたり、
パワーウィンドウがまっすぐ上下せず斜め方向に動く、
といったことも起こりえます。

ワイヤー式・アーム式のいずれのレギュレーターにしても、
摩耗・破損していると考えられます。

たとえば、パワーウィンドウを開けたり閉めたりしている最中に、
手で無理やり動作をさえぎったりして、レギュレーターに負荷をかけると、
パワーウィンドウが故障する原因となります。

電気モーターの故障

レギュレーターを動かしているのが電気モーターで、
電気モーターが故障している場合には、
パワーウィンドウが動かなくなる前に動作が遅くなるという予兆があります。

電気モーターが故障する原因としては、
レギュレーターが故障したり不具合を起こすことで、
電気モーターに過負荷がかかってしまうことが一つ。

電気モーターの内部には
ブラシと呼ばれるコイル(電線の束)があるんですが、
過負荷をかけることでブラシの電線が少しずつ切れはじめ、
最終的にはブラシが完全に断線してモーターがだめになります。

焼き付けと呼ばれる状態で、購入からかなり年数が経過していれば、
経年劣化によるモーター自体の摩耗や寿命も考えられます。

パワーウィンドウが閉まらない・開かないその他の原因

パワーウィンドウのスイッチ・電気モーター・レギュレーターといった、
部品が故障しているわけじゃないけれど、
パワーウィンドウが動かない場合には、

  • チャイルドロック(ウィンドウロック)がかかっている
  • 安全装置(挟み込み防止機能)が誤作動している
  • ガラスランの目詰まり
  • ドアの歪み
  • バッテリーの電圧低下
  • 配線・ヒューズ切れ
  • ウェザーストリップの劣化

といった原因が考えられます。

チャイルドロック(ウィンドウロック)がかかっている

運転席には、運転席以外の座席(助手席や後部座席)の
パワーウィンドウスイッチを一括ロックできる
ロックスイッチがありますよね。

車種によっては、チャイルドプロテクションレバーといって、
後部座席のドアを車内から開けたり閉めたりできなくする
スイッチが設置されています。

チャイルドプロテクションレバーがONになっていると、
ドアロックを解除しても車内からは
後部座席のドアが開閉できないだけじゃなく、
パワーウィンドウも動かない車種もあるようです。

チャイルドロックはドアと車体が触れるあたりの見づらい位置にあり、
ドアを開いた状態でON・OFFを切り替えることができます。

参考サイト:
お子さまのウインドウ、ドア操作は危険!ロックスイッチを活用! | 意外と知らないクルマの安全ガイド | MITSUBISHI MOTORS

安全装置(挟み込み防止機能)が誤作動している

手や荷物の挟み込込まれて事故が起きないように、
パワーウィンドウには安全装置が設置されています。

パワーウィンドウの動作に逆らうような力が加わった場合、
パワーウィンドウを停止させる機能です。

実際に国民生活センターの調査結果によると、
指を挟んで骨折したり切断してしまったケースが
少なくとも23件あると報告されています。

パワーウインドウの安全性(商品テスト結果)_国民生活センター

安全装置が正常に動作していればよいですが、
たとえば、次で説明するようにガラスランの目詰まりしていたり、
ドアが歪んだりしていた場合などで全装置が働いて、
パワーウィンドウが動かない(開かない・閉まらない)ことがあります。

ガラスランの目詰まり

ガラスランとは窓ガラスとドアの境目の
窓ガラスが出てくる部分に設置されているゴム部品です。

窓ガラスが正しく上下するようにするのと、
窓ガラスとドアの隙間にゴミなどが入らないようにするのが、
ガラスランの役割です。

窓が汚れているとガラスランに汚れが蓄積されることがあるし、
長く乗り続けているうちに隙間にゴミが溜まることがあります。

窓ガラスとドアの隙間に詰まったゴミを取り除くことで、
パワーウィンドウがスムーズに動く可能性があります。

ドアの歪み

接触事故を起こしてドアに強い衝撃を加えた結果、
窓ガラスとドアの隙間がなくなって窓ガラスが圧迫され、
パワーウィンドウが動かなくなることがあります。

ドアが自然と歪むのは考えにくいものがありますから、
ドアの歪みが原因だった場合、必ず思い当たるできことがあるはずです。

バッテリーの電圧低下

パワーウィンドウの動作が鈍いだけじゃなくて、
エアコンの効き目が悪かったりルームランプが暗い場合には、
バッテリーの電圧低下が考えらえます。

追記

配線・ヒューズ切れ

パワーウィンドウの電気モーターに電気を供給している
電気配線やヒューズが切れてしまったいた場合には、
パワーウィンドウは完全に動かなくなります。

追記

ウェザーストリップの劣化

原因としてはあまり考えにくいものがありますが、
ウェザーストリップというゴム部品が
劣化している可能性も考えられます。

ウェザーストリップとは窓枠などに装着されているゴム部品で、
ガラスと車体の隙間を埋めて密封性を高め、
車内に雨が入り込まないようにする部品です。

関連ページ:車の雨漏り修理費用|サンルーフ雨漏り対策はコーキングで応急処置?

ゴム部品なので、車に乗っていなくても
時間と共に徐々に劣化をしていきます。

もし、ウェザーストリップが極端に劣化していた場合、
他のゴム部品もかなり傷んでいると考えられ、たとえば、
ハンドルを回した時に異音がするなどの症状も起こります。

関連ページ:車ハンドル異音|パワステのキュルキュル異音やハンドルを切るとカタカタ異音の原因

ウェザーストリップの劣化で万が一、車の中に水がたまるようになったら、
大げさな言い方をすると車が浸水したのと同じような状況になります。

車の設計は、決して水に強い構造にはなっていません。

長時間に渡って水分にさらされることによって、
金属部品がさびるなどの劣化を早める危険があります。

電気配線をショートさせたりする危険性もあるので、
ウェザーストリップの劣化も侮れません。

関連ページ:
車の床水浸し|浸水したら保険で修理?床水浸しの対処法は?
車カビ臭い原因|カビ臭いエアコンを消臭・カビ除去掃除するなら?

AUTOだけ作動しない場合

稀なケースですが運転席側のパワーウィンドウを、
通常通りONにすれば動くけれど、スイッチを離しても
自動で上がりきったり下がりきったりしてくれる
AUTOスイッチだけが機能しないこともあります。

追記

パワーウィンドウ故障中に車検は通る?

パワーウィンドウが故障して動かない(開かない・閉まらない)と、
車検に通るのかというと、かなりケースバイケースのようです。

追記

パワーウィンドウ故障の修理代

パワーウィンドウ故障の主な原因である
スイッチ・電気モーター・レギュレーターの部品を交換修理する場合、
修理代はどのくらいかかるのかというと、

スイッチパネルの交換:5000円前後
レギュレーターの交換:10000円~20000円程度
モーターの交換:10000円~30000円程度

くらいが目安になります。

追記

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