車のボディを触ってみると塗装がザラザラしたり、
ポツポツと茶色い点が見られる主な原因は鉄粉です。
空気中には微細な鉄の粒子が漂っていて、
車を走らせている最中に鉄粉が塗装にぶつかったり、
鉄粉が多い地域で屋外に車を保管することで、
鉄粉が塗装に付着し、その部分が錆びることで
車の塗装がザラザラするようになります。
鉄粉によるザラザラを除去するためには、
鉄粉除去粘土を使ったり、鉄粉落としスプレーを使う、
と言った方法があります。
わざわざディーラーや自動車修理工場などに持ち込んで、
修理してもらわなくても自分で
DIYでザラザラを落とすことができますが、
肝心なのはやはり、塗装をザラザラさせない予防対策。
小まめに洗車をして鉄粉を落としつつ塗装の状態を確かめたり、
コーティング剤で塗装を保護して鉄粉を付きにくくすることが大切です。
目次
車ザラザラの主な原因は鉄粉
車のボディ表面の塗装を触ってみるとザラザラしたり、
小さな茶色い点が点在する主な原因は鉄粉です。
空気中には目では見えないほど
細かい鉄の粒子(鉄粉)が漂っていることがあり、
鉄粉が車のボディ塗装に付着していきます。
水で洗い流す程度で落ちる程度であれば良いんですが、
高速道路を走行中に鉄粉が猛スピードでボディーにあたれば、
塗装に少し傷をつけるように鉄粉がボディに刺さることがあります。
鉄粉によって塗装がわずかにはがれた部分で、
雨や水に触れた鉄粉が酸化して錆が出始め、
そこから徐々にボディの錆が深く進んで塗装を劣化させ、
ザラザラすることがあります。
また最初はボディ表面に軽く付着する程度だったとしても、
鉄粉が長期間にわたってボディに付着し続けることで、
鉄粉の錆が徐々にボディの塗装を突き抜けていき、
やはり、車の塗装がザラザラする原因となります。
鉄粉によるザラザラは、通常の洗車では落とすことができないし、
クロスで拭き上げていると引っ掛かるようになります。
車のボディ塗装は3層構造錆を防いでいる
車のボディ塗装は、デザイン性の役割もありますが、
車を外部のダメージや汚れから守るという役割もあります。
鉄板(車本体)
↓
錆止め塗装
↓
カラー塗装
↓
クリア塗装 ボディーカラーを保護し、ツヤを出す
といった感じで塗装が3層で上塗りされていて、
ボディーカラーにつながるのは、カラー塗装とクリア塗装です。
クリア塗装はさらにツヤを出して、
ボディーカラーを保護するという役割もあります。
鉄粉による車のザラザラが気になっている場合、
少なくともクリア塗装を突き破って、
カラー塗装にまで鉄粉が突き刺さり、
塗装の劣化や鉄粉の酸化・錆が進んでいると考えられます。
車の塗装にザラザラ鉄粉が付きやすい場所
ブレーキをかける際、ブレーキパッドというゴム部品を、
ブレーキローターという金属部品を押し当てています。
この時、ブレーキローターがわずかに削れることで、
鉄粉が発生するので、車を走らせていたら鉄粉を避けることはできません。
ただ、車の塗装が鉄粉でザラザラしやすいのは、
単純に鉄粉の多いエリア・地域に住んでいたり、
車を保管しているかどうかに大きく左右されます。
製鉄場や溶接工場のように鉄粉が発生しやすい地域だと、
鉄粉による車のボディ塗装はザラザラしやすくなります。
他にも、電車が走ると、
線路のレールと電車の車輪がこすれあうので、
電車の高架下や線路のそばにある駐車場に車を停めると、
鉄粉が付きやすく、車のボディ塗装がザラザラしやすくなります。
雪国に住んでいる人であれば、
凍結防止剤による塗装被害だけではなく、
チェーンを巻いた車が道路を走ると、
チェーンが削れて鉄粉をまき散らすことになります。
鉄粉以外の車ザラザラの原因
車のボディ塗装がザラザラするのは鉄粉が主な原因ですが、
他に考えられるものとしては、
- 飛散した塗料
- ピッチ・タール
があります。
飛散した塗料
車のボディ塗装だけではなくてガラス(窓)もザラザラする場合、
空気中の微量の塗料が付着している可能性が考えられます。
車を駐車しているところの近くで、
外壁の塗装のリフォームをしている家やマンションがあったり、
屋外で吹き付け塗装作業をしていたりすると、
塗装によってボディ塗装がザラザラすることがあります。
ピッチ・タール
道路を走っているとタイヤとの摩擦によって、
アスファルトをわずかに削られていきますが、
アスファルトのカケラや油分がボディに付着することで、
ボディが酸化されて車のボディがザラザラすることがあります。
特に、舗装されたばかりのアスファルトの場合には、
まだアスファルトが固まりきっていなくて柔らかいので、
ピッチ・タールによる車のボディがザラザラしやすくなります。
鉄粉の塗装ザラザラ予防対策
鉄粉によって車のボディ塗装がザラザラするのを
100%防ぐのは難しいものがあります。
ただ、きちんと予防対策をすることで、
ザラザラの発生を最大限に抑えたり、
ザラザラし始めても最小限に抑えることができます。
具体的には、
- 車を屋内に保管する
- 屋外保管するならボディカバーをする
- コーティング剤で鉄粉を付きにくくする
といった予防対策があります。
車を屋内に保管する
鉄粉は空気中に漂っているものの、
屋外よりも屋内に車を保管するようにすれば、
鉄粉が塗装に付着する量をできるだけ減らすことができます。
鉄粉が発生しやすい地域、
製鉄工場の近くなどに車を駐車するのであれば、
青空駐車場ではなくて屋内駐車できるところを選べると良いですね。
室内であれば、鉄粉以外にも様々な汚れから車を守ることができます。
たとえば、車に付着すると厄介な樹液も防ぎ、
車の塗装が部分的にはげたり、腐食するのを防ぐことができますね。
樹液は非常に取りにくくて厄介なんですが、
もし車に樹液がついてしまったような場合には、
こちらを参考に車の樹液を落としてみてください。
関連ページ:車樹液落とし方|樹液除去対策にはお湯?粘土?コンパウンド?
屋外保管するならボディカバーをする
電車の高架下など、屋内駐車するのが難しい場合には、
ボディーカバーをして、
鉄粉の付着を抑えるようにしましょう。
ボディーカバーをすることで、鉄粉以外にも、
雨水や紫外線からボディ塗装を保護してくれるので、
車の塗装劣化を抑えることができますね。
ボディカバーは車の塗装だけではなくて、
ヘッドライトの曇りも防いでくれます。
ヘッドライトは紫外線などさまざまな要因で曇ってしまうものの、
ボディカバーをしておけば、ヘッドライトは曇りにくくなります。
すでにヘッドライトの曇りが気になるという場合には、
こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
関連ページ:ヘッドライト曇り除去|ヘッドライト黄ばみ磨き料金は?ピカールは?
コーティング剤で鉄粉を付きにくくする
コーティング剤でコーティングをすれば、
鉄粉の付着を100%防ぐことができるわけじゃないものの、
やらないよりは絶対にコーティングしたほうが良いです。
シリコンコーティング、ガラスコーティング、ケイ素コーティングなど、
色んなタイプがあり、外観に違いが生まれますが、
ガラスコーティングだと鉄粉が付きにくいと言われています。
ただ繰り返しになりますが、コーティング剤を使っても、
鉄粉がボディ塗装に付着したままだと徐々に劣化・酸化が進み、
車がザラザラし始めます。
コーティング剤を使う目的はあくまでも、
車がザラザラするスピードを遅らせるだけなので、
「コーティングしたからこれで安心!」
というわけじゃありません。
小まめに洗車をしたほうが良いですし、できれば、
コーティング剤も半年に1回は塗り直したほうが良いです。
塗装のザラザラ鉄粉落とし方
車のボディ塗装をザラザラさせる鉄粉を落とすには、
- 鉄粉除去の粘土で鉄粉を削り落とす
- 鉄粉落としスプレーで鉄粉を溶かし落とす
という2つのやり方があります。
鉄粉除去粘土で鉄粉を削り落とす
鉄粉を削り落としてくれるのが鉄粉除去粘土です。
鉄粉でザラザラする部分を中心に水をかけ続け、
滑らせるように鉄粉除去の粘土でボディをこすっていきます。
水が切れてしまうと、鉄粉除去粘土によって、
ボディに深めの傷ができてしまうことがあるので、
水を絶えず流しておくのが良いです。
こすっていくうちに徐々に鉄粉除去粘土の表面には、
削り落とした鉄粉で茶色っぽい色に代わっていきます。
鉄粉除去粘土を練り直せば、何度でも使うことができますが、
鉄粉の付着具合があまりにもひどい場合には、
鉄粉除去粘土だと削りすぎてしまうことがあります。
また、鉄粉によるザラザラが広範囲に広がっていると、
鉄粉除去粘土だと作業時間があまりにも長くなってしまうので、
鉄粉落としスプレーを使ったほうがよいでしょう。
鉄粉除去粘土には大きく分けて、
コンパウンド入りとコンパウンドなし(ノーコンパウンド)があり、
コーティング済みの車に使う場合は、ノーコンパウンドを選びましょう。
鉄粉落としスプレーで鉄粉を溶かし落とす
ボディに付着した鉄粉を化学的に溶解して除去してくれるのが、
鉄粉落としスプレーです。
鉄粉落としスプレーをボディに吹きかけてしばらく待っていると、
ボディ表面から紫色の液体が垂れ流れていくので、
最後は水で洗い流せばOKです。
スプレーを吹き付けるだけなので
広範囲の車のザラザラを手軽に落とすことができます。
タイヤのホイールに付着した頑固なブレーキダスト等も、
鉄粉落としスプレーで除去することができるものの、難点は、
臭いがきついので屋外で作業しなければいけないのと、
塗装(ボディーカラー)が黄色だと鉄粉除去剤と反応して変色する危険があること。
また、鉄粉落としスプレーでは、
鉄粉が深くて「芯」があると落としきれないので、
鉄粉除去粘土を使う必要があります。
塗料を落とすにはコンパウンド
塗料によって車のボディ塗装がザラザラしている場合は、
コンパウンドで磨いていくのが良いです。
コンパウンドはゲル状になった研磨剤(やすり)で、
ボディ塗装に付着した汚れを削って落としたり、
キズを目立たなくするのに使用するものです。
コンパウンドで塗料のザラザラを落とす際には、
番手が小さい(粗い)もので一か所を集中的にこすると、
もともとの塗装に傷をつける危険があります。
番手が大きい(細かい)モノを選んで、
全体的に優しく塗料を削り落とすようにしましょう。
ピッチ・タールにはタールリムーバー
ピッチ・タールを落とすには、
タールリムーバーという専用の道具があります。
ピッチ・タールが付着した部分に
タールリムーバーを塗布して10分ほど放置するだけでOK。
マイクロファイバークロス等で優しくふき取れば、
ピッチ・タールを落とすことができます。
1度で摂り切れなかった場合は、
タールリムーバーを塗って放置する時間を増やしてみたり、
または、鉄粉除去粘土で取り除くと良いです。
タールリムーバーを使うにあたって、
コーティング車だとーティング被膜を痛めてしまうかもしれないので、
あらかじめ、問題なく使えるかどうかカー用品店で確認しておきましょう。