引越しする時には行政関係でも様々な手続きが必要になりますが、
日本人ならほぼ誰もがやらなければいけないのは
住民票の異動に伴う転出届(転居届)。
場合によっては転出届(転居届)を提出しなくても
良いケースもありますが、転出届(転居届)の提出の仕方や
提出期限、転出届と転居届の違いは?なんなの?
といった話をまとめています。
目次
転出届が必要なケース
異なる市区町村・都道府県に引越した場合に必要
転出届を提出しなければいけないのは、
市区町村・都道府県をまたいで引越しをする場合です。
東京都から千葉県に引っ越しする場合に転出届けが必要になるし、
都内であっても板橋区から豊島区など、
区をまたいで引越しをする場合も、
転出届を提出しなければいけません。
もしくは東京都世田谷区から東京都小平市など、
区から市へ、逆に市から区へ引越しをする場合も、
転出届を提出しなければいけません。
関連ページ:転出届どこでもらえる?転出届どこに出す?どこでもいい?
海外へ引越し・海外赴任する場合も基本は必要
自分が今住んでいる自治体から離れる場合には、
転出届けを提出しなければいけないので、
海外へ引越しをしたり、海外赴任する場合にも、
転出届けが必要になります。
たとえば、ハワイやグアムに移住するとか、
韓国やアメリカに海外駐在・海外赴任する前に、
転出届けを提出しなければいけません。
ただ、後で説明するように、日本国内の引越しであれば、
引越し先の自治体に転出証明書と共に
転入届を出さなければいけないものの、
海外移住・海外赴任ではその必要がありません。
よって、転出届を提出しても、
転出証明書は発行してもらえないのが一般的です。
関連ページ:海外赴任前で英語話せない|英語できない子供向け英語勉強法は?
同じ市区町村の引越しは転居届※転出届け不要
転出届とよく似た書類に転居届というのがありますが、
何が違うのかというと、自治体をまたいで引越しをするかどうか?です。
転出届は違う自治体に引っ越しする場合に提出するのに対して、
転居届は、同じ自治体で引越しをする場合に提出します。
東京都品川区羽田から東京都品川区大森に引っ越すとか、
東京都新宿区歌舞伎町から東京都新宿区上落合に引っ越すといった場合は、
転出届ではなく転居届を提出します。
関連ページ:市内引越し手続き|大阪市や川崎市、京都市、福岡市など
転出届が出せる提出期限はおおむね14日以内
転出届はいつからいつまで出さなければいけないの?
引越しすることが決まったら、いつから転出届は出せるの?
というと、おおむね引越し予定日から14日以内が目安です。
法律で具体的に何日以内と定められているわけではなく、
各自治体ごとに「おおむね14日以内」となっているだけで、
法的拘束力があるわけじゃありません。
たとえば2018年6月29日が引越し予定日だとすると、
2018年6月16日~2018年6月29日が、
転出届を提出できる期間になります。
ただ実際には、行政側で引越し予定日を
厳しくチェックしているわけじゃないし、
徐々に荷物を運び出して生活の拠点を新居に移す、
といったケースも考えられます。
なので、引越し予定日の一つの考え方として
旧住居の退去日(鍵の受け渡し日)を引越し予定日として、
転出届の提出期限を考えると良いんじゃないでしょうか。
引越し延期となった場合の手続き
予定していた引越し日に引越しすることが出来ず、
引越し日が数日くらいずれた程度なら、
転出届の提出をやり直す必要はないでしょう。
ただ、目安として引越し日が予定よりも14日以上もずれる場合、
転出証明書を発行してもらった現在在住の市区町村役場にいき、
転出届の手続きをやり直すようにするかもしくは、
転出証明書と共に「転出中止」の手続きをしましょう。
転出届提出・転出証明書発行に必要なもの
転出届を提出するにあたって必要になる物・必要書類は、
- 住民異動届
- 本人確認書類
- 印鑑(認印)
といったものがあります。
住民異動届
現在住んでいる市区町村の役場に行くと、
転出届・転居届ではなくて、住民異動届という用紙があります。
住民異動届で
- 転出
- 転居
- 転入
といった住民票の異動や書きかけを伴う
変更手続きをすることになっています。
本人確認書類
住民異動届は世帯主や引越しする人本人が直接提出しなくても、
代理で提出してもらうこともできます。
代理で提出場合には委任状も必要になりますが、
いずれにしても、窓口に行った人の本人確認書類が必要になります。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード(個人番号カード)
- 住民基本台帳カード
など、基本的に顔写真付きで住所確認ができる
公的身分証明書を持っていくようにしましょう。
もし、顔写真のある身分証・免許証などがない場合には、
健康保険証と年金手帳など2種類の本人確認書類を用意することになります。
印鑑(認印)
住民異動届には自著欄(サイン欄)がありますが、
念のため、印鑑(認印)を持って行ったほうが良いです。
書き損じを訂正する際に印鑑(認印)の押印が求められるなど、
市区町村によって対応が微妙に違っています。
ただ、印鑑(認印)なら何でも良い訳じゃなくて、
シャチハタのようなゴム印は使えません。
100均でも買える三文判でも良いので、
よほど下手に押印しなければ、
陰影が変形しない印鑑(認印)を
持っていくようにしましょう。
住民異動届の書き方
住民異動届には具体的にどんな記入欄があって、
どんな風に記入すれば良いのか?というのをまとめておきます。
各自治体によって住民異動届の書式は微妙に異なるものの、
おおむね、
- 届出日
- 異動年月日
- 届出人
- 旧住所
- 新住所
- 現在の世帯主と、今後の世帯主
- 本籍
- 筆頭者
- 異動した人(異動する人)
- 続柄
といった項目を記入していきます。
届出日
窓口に来たまさにその日の日付を記入します。
各市役所の窓口付近には、割とわかりやすく
カレンダーが貼ってあったりします。
異動年月日
引越し予定日を記入する欄になります。
引越し予定日はあくまでも「予定」で構わないので、
まだ日にちがあやふやだったとしても、
とりあえず日にちを決めて記入しなければいけません。
実際の引越し日が数日くらいずれたとしても、
まず問題ありません。
届出人
窓口に来て転出届を提出する人の氏名を記入します。
先ほども触れたとおり、
届出人と実際に引越しをする人(転出する人)は、
必ずしも同一人物じゃなきゃいけないわけじゃありません。
実際に転出する人じゃなくても、
世帯主もしくは同一世帯の人であれば、
代理提出が認められています。
代理提出する際の注意点については、
別にまとめています。
旧住所
引越する前の現在住んでいる住所を記入します。
新住所
引越し先の住所を記入します。
住所の記入にあたっては「○番○号」などを、
完璧に正確に記入する必要はありません。
「3番5番地」を「3-5」のように記入してもOKで、
必要があれば、窓口で係りの人が赤鉛筆で修正してくれます。
現在の世帯主と、今後の世帯主
現在住んでいる旧住所の世帯主と、
引越し先の新住所の世帯主の氏名を記入します。
たとえば、大学進学で春から一人暮らしするのであれば、
現在の世帯主は父親か母親のどちらかになるはずで、
新住所の世帯主は自分となります。
※家庭内の話し合いの結果、一人暮らしすると言っても、
親の名義で賃貸契約をした場合には、
新住所の世帯主も親にするケースもあります。
筆頭者
住民票に書かれている「筆頭者」をそのまま記入します。
誰が住民票上で筆頭者になっているのかわからない場合、
あらかじめ住民票の写しを取得しておくと良いでしょう。
本籍
戸籍謄本を見るのが確実ですが、住民票にも記載があるので、
分からなければ住民票の写しを見ればよいですね。
異動した人(異動する人)
実際に引越しをする人の名前を記入します。
家族で引越しをする場合などは、代表者一人だけ記入するんじゃなくて、
もちろん、家族全員の名前を記入します。
続柄
異動した人(異動する人)と
世帯の筆頭者との関係をそれぞれ記入します。
- 世帯主
- 妻・夫
- 子
となります。
親元を離れて一人暮らしをする場合には、
自分のことを「子」と書くことになりますね。
分からなければ、とりあえず未記入のままにしておいて、
窓口で相談しながら埋めていっても良いですよ。
本人に代わって代理人が代理提出する場合
本人に代わって代理人が代理提出する場合
転出する人からの委任状も用意しなければいけません。
委任状の様式は、各市区町村のホームページからダウンロード出来たり、
記入すべき項目が指定されているだけで様式を問わない自治体もあります。
代理人に代理提出については、
- 世帯主
- 同一世帯の人
が認められているわけですが、
同一世帯の人とはどこまでの範囲を指すのかというと、
住民票(世帯全部)を請求したときに、
名前が一緒に書かれている人のことです。
別々に暮らしていたとしても、
住民票が一緒であれば、同一世帯とみなされて、
代理提出できます。
転出証明書を紛失した場合
転出届を提出した際に無料で発行してもらえる転出証明書は、
引越し先の新住所の市区町村に、転入届と一緒に提出しなければいけません。
けれども、転出証明書を破いて破損してしまったり紛失してしまったら、
もう一度、転出届を提出して転出証明書を再発行してもらう必要があります。
再発行にあたっては、転出予定日前であれば、
同じ手続きを繰り返すだけで済みますが、予定日を過ぎている場合、
転出証明書に準ずる証明書が交付されるのが一般的で、
この場合、300円程度の手数料がかかってしまうことが多いです。
また、市区町村によっては電話などでの請求が認められていたり、
引越する人本人が窓口に来なければいけないなど、
再発行ルールが微妙に異なっています。
さらに、引越し予定日がかなり過ぎていて、
転入届をまだ新住所の市区町村で提出していなかった場合など、
そもそも、再発行できないことがあります。
この場合も、転出証明書に準ずる証明書として、
戸籍謄本と戸籍の附票で転入届をするように
指示されることがあるようです。
転出届を郵送する際の必要書類や日数
引越する人(異動する人)や代理人が
市区町村の窓口に行かなくても、
転出届を郵送で提出することもできます。
市区町村によってルールが微妙に異なるものの、
おおむね、
- 転出届(郵送用)
- 本人確認書類のコピー
- 返信用封筒と切手
- 各種保険証・医療証
といった書類をまとめて指定窓口に郵送します。
転出届(郵送用)は、
ホームページで用紙をダウンロードできる自治体もあれば、
指定された項目を適当な紙に記入すればOKという自治体もあります。
実際に窓口で転出届の手続きをする場合と同じく、
- 届出日
- 異動年月日
- 届出人
- 旧住所
- 新住所
- 現在の世帯主と、今後の世帯主
- 本籍
- 筆頭者
- 異動した人(異動する人)
- 続柄
を転出届(郵送用)に記入するようにしましょう。
返信用封筒と切手が必要になるのは、
転出証明書を返送してもらうためです。
転出証明書は折り曲げても構わないので、
長形4号封筒と呼ばれる小さめの封筒に
82円切手を貼るようにしましょう。
ちなみに、封筒と中身の書類を合わせた封書全体の重さが
25g以内だと82円で、
25gを0.1gでも超えると92円となります。
転出証明書1枚と長形4号封筒であれば、
ほぼ問題なく25gに収まります。
各種保険証・医療証とは具体的には、
- 国民健康保険証
- 介護保険被保険者証
- 後期高齢者医療証
- 乳幼児医療証
といったものがあります。
これらを自治体に返還しなければいけないわけですが、
逆に言うと、転出先で新たに発行してもらう必要があることを
覚えておきましょう。
単身赴任・学生の一人暮らしの転出届
転出届の提出にあたって、
家族でちょっと相談が必要になるのは、
父親(もしくは母親が)単身赴任する場合や、
子供が大学進学などで一人暮らしをする場合です。
関連ページ:住民票移さないとどうなる?デメリットは罰金?理由は住民税?
転入届はいつまでに提出?14日以内?
転出届と1セットで考えなければいけないのが転入届です。
転出届の手続きをして転出証明書を発行してもらい、
実際に引越しを済ませたら、引越し先の市区町村の窓口に行って、
転入届の手続きをしなければいけません。
単身赴任で気になる住民税や住宅ローン控除・保育料など
単身赴任をするとなると二重生活をすることになるので、
生活費が余計にかかってしまいます。
妻が専業主婦で賃貸住宅に住んでいれば、
単身赴任ではなくて家族で引越しすることもできますが、
子供がすでに大きくなっていて小学校に通っていたり、
住宅ローンを組んで戸建マンションや自宅新築だったりした場合。
単身赴任せざるを得ず、
生活費が足りなくて家計のやりくりが
火の車になってしまう世帯も少なくありません。
まず住民票を単身赴任先に移す・移さないに関しては、
住民税にも関わってくる問題になります。
関連ページ:単身赴任の場合の住民税は扶養で二重?均等割の住民税は?
場合によっては住民税の負担が大きくなる可能性もあるので注意が必要です。
住民税の金額が上下する関係上、
保育料に関しても値段が変わる可能性があります。
関連ページ:夫の単身赴任と保育園保育料|住民票は?海外赴任は?世帯分離すべき?
ただし2019年10月から認可保育園の保育料は無料化されるので、
単身赴任と保育料はあまり関係が亡くなるかもしれません。
住宅ローン控除に関しては、
住宅ローンを組んで購入した家・マンションに住んでいる人がいれば、
基本的には単身赴任でも住宅ローン控除を引き続き受けることができます。