中学生(未成年)がパスポート申請する場合、
大人(成人)とは違って様々な制約があります。
本人確認書類も成人とはちょっと違うし、
申請できるパスポートの有効期間(色)も指定されます。
中学生(未成年)がパスポート申請する際の、
注意点やポイントをまとめています。
目次
パスポート有効期間は5年(青色)のみ
中学生(未成年)が申請・取得できる
パスポートの有効期間は5年のみ。
有効期間が10年のパスポートは、現在の法律では、
20歳以上の成人以上と定められています。
中学生(未成年)がどうして
10年のパスポートを発行してもらえないのかというと、
おそらくは、まだ成長段階なので、
顔や姿が大きく変わる可能性があるからでしょう。
ちなみに有効期間5年のパスポートの色は、
日本では青色(紺)です。10年は赤色です。
中学生(未成年)はパスポート料金が安くなる?
中学生(未成年)だと、
パスポートの発行手数料が安くなるのかというと、
有効期間5年のパスポートの発行手数料には、
確かに、減額・割引される制度があります。
ただ、発行手数料が減額・割引されるのは、
12歳未満となっています。
中学校に進学した時点ですでに12歳になっていますから、
中学生(未成年)だとパスポートの料金が安くなることはありません。
ちなみに、パスポート料金が安くなる「12歳」という基準については、
「年齢計算に関する法律」(明治35年法律第50号)で、厳格に決められています。
この法律によると、年齢は誕生日の前日に
1歳加算されます。
12歳の誕生日(12回目の誕生日)の前日から
12歳とみなされるようになります。
12歳未満のパスポート料金減額措置は、
12歳の誕生日の前々日までに申請した場合となります。
逆に言うと、19歳であっても誕生日の前日からは
20歳とみなされ、成人扱いとなりますから、
有効期間10年のパスポートを発行してもらえます。
関連ページ:パスポート年齢確認|満年齢って?10年パスポートの年齢制限
中学生(未成年)のパスポート本人確認書類
中学生(未成年)がパスポート申請する際、
- 親(親権者)と一緒にパスポート申請する
- 親(親権者)に代理で申請してもらう
- 中学生(未成年)本人が一人で申請する
いずれのケースでも、中学生(未成年)本人の
本人確認書類が必要になります。
本人確認書類は、1種類だけで良いモノもあれば、
2種類用意しなければいけないものもあります。
※有効な本人確認書類については後述します。
運転免許証であれば1つで本人確認できるんですが、
中学生(未成年)は当然ですが、
運転免許証のような公的な身分証は取得できません。
そこで、2種類の本人確認書類を用意する必要があり、
たとえば、
- 健康保険証+学生証
- 健康保険証+母子手帳
- 健康保険証+こども医療費受給資格証(中学生以下)
- 健康保険証+在学証明書
といったものを用意しなければいけません。
ただ、写真付きのマイナンバーカードであれば、
一つで本人確認ができます。
手間はかかるものの、パスポート申請前に、
写真付きのマイナンバーカードを別途用意する方法もあります。
中学生のパスポート申請では本人確認書類の用意に
時間がかかる可能性があります。
その点も考慮して、
パスポートの申請はできるだけ早めにしておかなければいけませんね。
関連ページ:パスポートいつまでに必要?海外旅行出発何日前までにアメリカ esta申請?
中学生(未成年)が自分一人でパスポート申請する場合
中学生(未成年)が自分一人でパスポート申請するのは、
少し考えにくいものがありますが、
念のため、パスポート申請方法を簡単に説明しておきます。
まず、中学生(未成年)の場合には、
親権者(法定代理人)や後見人の同意も必要です。
申請書裏面にある「法定代理人署名」という欄に
親権者(父母のいずれか一方)か後見人に
署名してもらわないといけません。
親権者又は後見人が遠くに住んでいて、
申請書に署名してもらうのが難しい場合には、
署名のある同意書を提出する必要があります。
中学生(未成年)は自分で戸籍謄本を請求できる?
親権者(法定代理人)や後見人なしで、
中学生(未成年)が自分でパスポート申請する場合、
戸籍謄本の取り寄せが、少し高いハードルになります。
戸籍謄本は基本的にその戸籍の構成員であれば、
誰でも取得できるルールとなっています。
けれども実際に自治体の窓口で手続きをする際、
本人確認書類も用意しなければいけません。
運転免許などであれば1つで本人確認できますが、
中学生に用意ができるのは学生証や健康保険証、
母子手帳などになるでしょう。
こういった書類だけで本人確認を認めてもらえるのか?
自治体によって対応が異なってくるようなので、
本籍地の自治体で確かめるようにしてください。
ちなみに、自分の本籍地がどこかわからない場合は、
まずは住民票の写しを発行(取り寄せ)すれば
本籍地を確認できます。
住民票の写しに関しては、学生証や健康保険証でも
発行してもらえる自治体が大半のようです。
中学生(未成年)の代理で親(親権者)が申請・代筆する場合
中学生(未成年)の代理で、もしくは中学生(未成年)を連れて、
親権者(法定代理人)や後見人が申請したり、
パスポート申請書類を代筆する場合。
まずパスポートの代理申請をする場合には、
中学生(未成年)の本人確認書類を
忘れずに持っていくようにしましょう。
パスポートの申請手続きに関しては、
親が全て代理できるものの、
パスポートの受け取り(受領)に関しては、
未成年であっても本人が受領しなければいけません。
また、パスポート申請書類を代筆する際には、
申請者署名欄に代理人の名前を書くだけではなく、
法定代理人署名欄にも忘れずに記入するようにしましょう。
ちなみに、申請者署名欄の記入方法は、
ローマ字やひらがなは使えません。
必ず戸籍謄本に記載されている通りの漢字氏名で
記入する必要があります。
関連ページ:パスポート代筆書き方|子供が赤ちゃん・小学生のパスポートサインは?
所持人自署欄は代筆不可
パスポート申請書には所持人自署欄というのもありますが、
この欄だけは代理人は代筆することができません。
必ずパスポート所持者自身が記入する必要があります。
記入の仕方については、
ローマ字(ヘボン式)・ひらがな・漢字
どれでも構いません。
パスポートにそのまま転写され、
海外で身分証明するために重要な「サイン見本」として使われます。
パスポート本人確認書類
パスポート申請にあたって、
本人確認書類として使えるものを上げていきます。
1点で良い身分証・許可証・免許証
- 日本国旅券(失効後6ヶ月以内のものを含む)
- 運転免許証
- 船員手帳
- 海技免状
- 小型船舶操縦免許証
- 猟銃・空気銃所持許可証
- 戦傷病者手帳
- 宅地建物取引主任者証
- 電気工事士免状
- 無線従事者免許証
- 写真付きの官公庁等職員身分証明書
- 写真付きの住民基本台帳カード
- 写真付き身体障害者手帳(写真貼り替え防止がなされているもの)
2点必要な身分証・許可証・免許証
便宜上、AとBの2つに区分していますが、
パスポート申請にあたって本人確認書類として認められるのは、
- AとA
- AとB
という組み合わせです。
BとBでは本人確認にはならないので、気を付けましょう。
A
- 健康保険被保険者証
- 国民健康保険被保険者証
- 船員保険被保険者証
- 共済組合員証
- 後期高齢者医療被保険者証
- 介護保険被保険者証
- 国民年金手帳(証書)
- 厚生年金手帳(証書)
- 船員保険年金手帳(証書)
- 共済組合年金証書
- 恩給証書
- 印鑑登録証明書(6ヶ月以内に発行されたもの)と登録している印鑑
B
- 本籍地市町村発行の身分証明書(6ヶ月以内に発行されたもの)
- 生活保護受給者証(6ヶ月以内に発行されたもの)
- 母子健康手帳(経産婦、妊娠中の方)
- 身体障害者手帳(※写真貼り替え防止がなされていないもの)
- 被爆者健康手帳
- 自衛官診療証
- 老人保健法・(重度)心身障害者・ひとり親(母子・父子)家庭・乳幼児・特定疾患の各医療受給者証
- 在学証明書(学校教育法第1条に規定する学校発行のもの)
- 資格証明証(国務大臣又は都道府県知事発行のもの)
- 写真付きの身分証明書(氏名の確認できるもの。学生証、社員証など)
- 日本国旅券(※失効後6ヶ月を経過したもの)
- 中学生の生徒手帳(学校長印の押印があるもの、写真付きでなくても可)