バジルにはアブラムシ、フキノメイガ、ハダニ、アリなど、
様々な病害虫による虫食いが起きることがあります。
病害虫からバジルを守るためには、
木酢液やレモン汁を吹きかけたり、
コンパニオンプランツで寄せ植えをしたり、
防虫ネットで覆うなどの方法があります。
他にも軟腐病や灰色かび病といった
病気にかかることもありますが、いずれにしても、
土の水はけや風通しをよくすることが、
病害虫と病気を予防するポイントになります。
どうしても病害虫が大量に発生するようであれば、
いっそのこと水耕栽培に切り替えるやり方もありますよ。
目次
バジル虫除け
バジルにはどんな虫が寄って来るのかというと、
- アブラムシ
- フキノメイガ(ベニフキノメイガ)
- ハダニ
- コバエ
- ヨトウムシ
- カイガラムシ
- ナメクジ
- アリ
- ハモグリバエ
- コナジラミ
- バッタ
- コガネムシ
といった虫があります。
これらの虫がバジルの簡単な駆除方法や、
どんな被害をもたらすのか?を見ていきましょう。
アブラムシ
バジルの生育期でもある3~10月の温かい時期に発生し、
樹液を吸ってバジルを弱らせてしまいます。
アブラムシはアミノ酸が大好きな虫で、
光合成によって葉に大量のアミノ酸が蓄積されると、
作られすぎたアミノ酸にアブラムシが寄ってきます。
アブラムシは、すす病というバジルの病気を誘発させるので、
見つけたらすぐに退治しなければいけません。
数が少なければ、直接つまみとってまったり、
ブラシでこすり落としたり、
ガムテープでペタペタくっつけて退治できます。
アブラムシが大量発生してしまった場合には、
牛乳と水を1:1で混ぜた液体を霧吹きで吹きかけて弱らせ、
乾燥させてから水で洗い流すと退治できます。
フキノメイガ(ベニフキノメイガ)
フキノメイガ(ベニフキノメイガ)は蛾の幼虫です。
高温多湿を好み、夏は特に活動が活発します。
フキノメイガの成虫が夜やってきて、
バジルの葉裏に半透明の卵を産み付けます。
放っておくとバジルの茎まで食べられてしまうので、
見つけたら早目の駆除が欠かせません。
割りばしやピンセットで摘み取って駆除するか、
フキノメイガがいる部分を取り除いてしまうのが良いです。
成熟幼虫で越冬する。年に1~3回発生する。クズの隣接地で多発する。5月中旬に葉裏に産卵する。7月中旬に成熟幼虫は葉を丸め吐糸し薄い繭をつくり中で蛹化する。7月下旬に羽化を開始する。
参考サイト:アズキノメイガ[フキノメイガ] – 病害虫・雑草の情報基地
ハダニ
バジルにハダニが発生すると
黒い点々が見られるようになります。
アブラムシと同じくバジルの樹液を吸いにきて、
最終的には葉緑素まで抜いてしまい、
葉を真っ白にして弱らせてしまいます。
バジルの生育期でもある3~10月の温かい時期に発生し、
小さいので防虫ネットを突破されることも多いです。
ただ、非常に水に弱いので、
霧吹きで水を吹きかけるだけでも、
簡単に駆除できたりします。
ハダニが大量発生していて
霧吹きだけだと駆除が間に合わないし、
しばらく食べないようにする場合には、
残留性も少ないベニカスプレー(ダニ用)等を散布すると良いです。
コバエ
コバエは動きが速く、駆除が大変な害虫。
コバエは生ゴミに寄ってくるように、
未分解の植物(肥料)があれば集まってきます。
バジルに直接的な被害をもたらすわけじゃないようなんですが、
コバエがたかるのは、気持ちの良いものじゃないですよね。
コバエ対策にはまずは防虫ネットで侵入を防ぐこと。
苗の近くにハエ取り棒を罠として設置したり、
コバエ駆除用の黄色の粘着シートを吊るしておくのが良いです。
※虫は黄色に寄ってくる性質があるようです。
関連ページ:虫がつかない観葉植物|観葉植物の害虫はどこから?育てやすい観葉植物は?
ヨトウムシ
日中は土の中に隠れていて、夜になると土から出て、
葉を食べる蛾の幼虫です。
朝になるとバジルの葉が食べられていて、
葉裏や茎、土表面などに虫の姿がないとき
ヨトウムシの可能性が高くなります。
ヨトウムシが一度発生してしまうと、
大量に産卵するので被害が大きくなるため、
早目の駆除が肝心です。
ヨトウムシは、あまり土深くもぐることはないので、
土を掘り起こしてみて見つかり次第、
つまみ出して駆除すれば良いです。
オルトラン水和剤をまくのも効果的です。
カイガラムシ
バジルに限らず、植物に付着して、
養分を吸い取ってしまうのがカイガラムシです。
アブラムシと同じく様々な病気を誘発するので、
見つけ次第、早目に駆除しなければいけません。
バッタ
バッタもバジルの葉を食べる食害の害虫です。
バッタによって葉が食べられていた場合、
黒い粒々の糞も見られます。
バッタはぴょんぴょん飛び跳ねてしまうので、
スプレータイプも駆除剤は、
あまり効果は期待できません。
かといって、摘み取るのも難しいものがあります。
バッタからバジルを守るためには、
防虫ネットをしておくしかなさそうです。
コガネムシ
コガネムシの幼虫はバジルの根を食害する上に、
成虫は葉を食害してしまいます。
大量発生するとあっという間に、
葉っぱの葉脈だけ食害されてしまい、
葉が無残なレース状になってしまいます。
いくら水を与えてもバジルがすぐにしんなりする場合、
コガネムシの幼虫が発生しているかもしれません。
掘り起こしてみて、幼虫が見つかり次第、
摘み取って駆除しましょう。
できれば、バジルを植え替え
してしまったほうが良いです。
ナメクジ
アリ
ハモグリバエ
コナジラミ
バジルに使える虫除け剤
バジルに使える虫除け剤には、
- オルトラン水和剤
- 粘着くん液剤
というのがあります。
オルトラン水和剤
バジルなどのハーブ(食用植物)使用が
認められている数少ない農薬の一つです。
水で薄めて散布することで、
葉や茎から吸収されてバジル全体にゆきわたります。
葉っぱや茎に行き渡ったオルトラン水和剤を
害虫が吸い上げることで駆除されていきます。
すでにバジルにいる害虫はもちろんのこと、
害虫を寄せ付けないようにしてくれます。
アブラムシ、ヨトウムシ、
カイガラムシ等のバジルの汁を吸う害虫や、
葉を食い荒らす害虫にも防虫効果を発揮します。
ただ、使用後はすぐにバジルを食べられるわけではなく、
早くても1週間、できれば1ヶ月ほど時間をかけて
農薬を抜く必要があります。
収穫する日から逆算して利用すると良いです。
粘着くん液剤
化学殺虫成分を含まない、
でんぷんが主成分の環境にやさしい
ソフト農薬の1種です。
でんぷんの粘着性を利用して害虫を窒息させることで、
物理的に害虫を駆除していきます。
害虫の抵抗性発達(薬剤に対する耐性を強化)することもないし、
害虫の天敵への影響も小さくて済みます。
ハダニやアブラムシにも効果が期待できます。
オルトラン水和剤とは違って、使用してからから
時間を置くことなくすぐにバジルを食べることができます。
バジルの虫除けを手作りするならハッカ油・ヒバ油
虫除けを手作りするなら、
ハッカ油
ヒバ油
を使う方法もあります。
どちらも防虫効果がある天然オイルで、
植物だけじゃなくて人間の虫除け(蚊やアブ、ブヨなど)にも使えます。
使い方も作り方も非常に簡単だし、
ゴキブリにも効果が高いと評判です。
関連ページ:ハッカ油虫除けスプレー効果は強力?ハッカ油虫除けスプレーの作り方は?
関連ページ:ヒバ油虫除けスプレー作り方・使い方|ヒバ油に虫除け効能なし?
バジルの虫予防対策
バジルに虫を寄せ付けないためには、
どんな予防対策があるのかというと、
- ニーム粒剤
- 木酢液(もくさくえき)
- コンパニオンプランツ
- 防虫ネット
- レモン汁・オリジナルスプレー
- 土の水はけや風通しをよくする
- こまめに剪定・収穫して蒸れ防止
- 室内栽培にして害虫を防ぐ
- セラミスグラニュー
といったものがあります。
ニーム粒剤
ニームとはセンダン科、センダン属の双子葉植物で、
日本名でインドセンダンと呼ばれる人体に無害のハーブです。
ニームの種を圧縮してニームオイルを絞り出した後に残る
絞りカスを粒状に固めたものがニーム粒剤です。
ニーム粒剤を土の上にぱらぱら撒くことで、
土壌中のセンチュウや土壌害虫の成長を抑えることができます。
また、ニームの成分をバジルが吸収して、
害虫に対して抵抗力を持つようになります。
化学農薬とは違って、自然由来の農薬なので、
自然環境に負荷を与えません。
木酢液(もくさくえき)
木を燃やして木炭を作る際に立ち込める煙を
冷やして液体状にしたものが木酢液です。
特徴的な燻製のような香りのする
黄褐色ないし赤褐色の液体です。
日本木酢液協会の定義
木酢液・竹酢液(以下、木竹酢液という。)は、木炭や竹炭を製造する際に発生する煙の成分を冷却して得られた水溶液です。水分が約90%で、残りの10%のうち、約5%が酢酸で、その他アルコール類、エステル類、フェノール類等、約200種類に及ぶ有機成分が含まれています。
木酢液に含まれる酢酸やアルコールが
菌の生長を抑えたり、害虫が木酢液を嫌うので、
バジルに寄り付かなくなります。
また、土壌が木酢液を吸収することで微生物が活性化され、
バジルを強く丈夫に育ちやすくなり、
病害虫に強くなるという効果も期待できます。
関連ページ:竹炭の使い方|活性炭のトイレ・靴消臭効果や竹炭の除湿効果は?
コンパニオンプランツ
コンパニオンプランツとは、
共栄作物/共存作物とも呼ばれ、
お互いの特徴を補完し合える、
相性の良い植物ペアのこと。
コンパニオンプランツ同士を同時に植えることで、
共生による相乗効果がきたいできます。
バジルの代表的なコンパニオンプランツが
トマトです。
トマトは水分が少ないほうが糖度が高くなるのに対して、
バジルは水分をたくさん必要とすることから、
コンパニオンプランツとして相性が良いです。
バジルとトマトを同時に植えることで、
コナジラミ、アブラムシ、ハエなど
を寄せ付けない効果があると言われています。
ちなみに、バジルのコンパニオンプランツとして
ミントも使えるものの、
ミントと言えば、繁殖力が異常に強いハーブです。
バジルと相乗効果を発揮するどころか、
バジルを枯らしてしまうので、
あまりおすすめはできません。
防虫ネット
ベニフキノメイガが土壌に卵を産んだり、
バッタがバジルによって来るのを防ぐために、
防虫ネットも有効な害虫予防対策です。
水やりなど、ちょっと面倒になりますが、
害虫対策に手を焼かされるようになっていたら、
いったん、防虫ネットでしっかり対策して、
害虫を一掃したほうが良いですね。
レモン汁・酢・オリジナルスプレー
レモン汁やコーヒーの出がらし汁、
ニンニク汁、トウガラシスプレーなどなど、
臭いの強い液体をバジルに吹きかけることで、
害虫が寄り付きにくくなります。
土の水はけや風通しをよくする
水はけが悪かったり風通しが良くないなど、
土壌環境が悪化していると、
害虫だけじゃなく病気も発生しやすくなります。
川砂や腐葉土をなぜることで、
水はけを改善することができます。
また、古い土を使ってしまうと、
病気に感染リスクがたないので、
あまり使わないほうが良いです。
こまめに剪定・収穫して蒸れ防止
葉が込み合ってしまうと、
風通しが悪くなって蒸れやすくなり、
害虫の好む多湿な環境になってしまいます。
剪定や間引きをして風通しを良くするか、
育ってきたらさっさと収穫するようにして
蒸れさせないように気を付けましょう。
室内栽培にして害虫を防ぐ
やはり、家庭菜園やベランダなど
バジルのプランター(鉢植え)を外に出しておくよりも、
室内栽培にしたほうが、寄りつく虫の数も種類も
うんと減らすことができます。
室内栽培する場合の注意点としては、
日照不足になりがちなこと。
日光が当たる適度に場所へ置くように
気を付けましょう。
セラミスグラニュー
セラミスグラニューとは多孔質の粒状土で、
ドイツの山地ヴェスターヴェルト産の粘土を
原料としています。
天然のスポンジといった感じで、
水分を大量に吸収し、なおかつ
水分を蓄える性質も持っています。
土の代わりにセラミスグラニューを使うことで、
バジルは必要な分だけの水を吸収してくれるので、
根腐れする心配もほとんどありません。
無菌、無臭なので室内栽培にも向いています。
バジルがかかる病気
バジルがかかりやすい病気には、
- 軟腐病
- 灰色かび病
- すす病
軟腐病
バジルの茎や葉っぱに傷口があると
そこから細菌が侵入し、内部で繁殖します。
病斑部は次第にシナシナになり、
株元や根は腐りはじめ、特有の悪臭を放つようになります。
トマトやピーマンだと茎の髄部が腐敗し空洞化させます。
灰色かび病
病斑部に水がしみたような淡褐色のできます。
最初は水がしみたような淡褐色になりますが、
しだいに枯れていき腐敗し始めます。
最終的に、バジルの葉や茎がまるで
灰色のかびに覆われたような姿になります。
雨が多いと多く発生しやすく、
春先から梅雨にかけての時期や、
秋から初冬にかけての時期は要注意です。
すす病
対処法
と言ったものがあります。
■バジルの害虫被害を減らす方法
■バジルを長く収穫する方法