単身赴任をすると家族の住む実家と
単身赴任先の2か所で家賃・住宅ローンを
支払うことになります。
こうした家賃や住宅ローンというのは、
単身赴任者は確定申告をすると控除できるのかというと、
住宅ローンは控除されるものの、家賃は控除の対象とはなりません。
家賃に関しては「給与所得控除」に含まれている、
という風に考えることができます。
もちろん、単身赴任先から実家に帰る旅費も、
確定申告で控除の対象とはなりません。
単身赴任したサラリーマン(会社員)でも
自己申告で控除を受けられるのは、
基本的に
- 住宅ローン控除
- 医療費控除
の2つ。
海外赴任で単身赴任した場合の確定申告については、
住宅ローンについては初年度に手続きを済ませておけば、
2年目以降は会社と税務署の方で処理をしてくれているはずですが、
税務署によって対応が異なることがあります。
税務署に自分で確認を取るのが確実です。
目次
家賃や旅費は確定申告で控除できる?
単身赴任先で借りている
アパートやマンションの家賃は
確定申告で控除の対象とはなりません。
つまり、収入から家賃を差し引いて、
課税所得を減らすことができないので、
税金(所得税)の還付金をもらうことはできません。
家族のもとに帰る際の旅費交通費は、
後で説明する特定支出控除の対象となるので、
還付金をもらえる余地はあるんですが、問題は金額です。
かなりの金額を使っていないと、控除されることがないので、
旅費交通費も控除されないと思ったほうが良いです。
もちろん、外食費なんかも確定申告で控除に入れることはできません。
健康のことを考えたらできるだけ栄養バランスの良い食事を心がけ、
塩味がきつい傾向にある外食やコンビニ食は避けたほうが良いモノの、
自炊を続けるのもなかなかしんどいものがありますよね。。。
そこで、実家の方で冷凍保存ができるおかずを作ってもらって、
自炊のサポートをしてもらうという手段もあります。
関連ページ:単身赴任の夫に食事送る|冷凍できるおかずや単身赴任中の栄養バランス
確定申告の申告場所はどうなる?
ちなみに、単身赴任中は
住所が2か所あるような状態なので、
単身赴任先と家族の住む場所のどっちで、
確定申告したらよいのか?迷いますよね。
基本的には、会社から発行してもらえる
源泉徴収票に記載している税務署で申告すると、
書類に不備が合った場合などの手続きで手間取ることはありません。
自営業の場合には、単身赴任していようが、
事業所の所在地で確定申告をするのがルールになっています。
では源泉徴収票の住所はいったいどのように決まるのかというと、
会社側から何らかの相談があるはずです。
もし何の相談もなければ、
単身赴任先に勝手に移動されている可能性もあり、
住民票を家族のもとに残していた場合、
住民税不払い(未納、滞納)と見なされることもあります。
住民税も所得税も、給料天引きでどこに納付されているのかがわかりにくいので、
不安があったら一度、会社の経理に確認をしておくようにしましょう。
単身赴任で住民票は移すべき?
単身赴任したら
住民票を移すべきか?そのままにすべきか?も
迷ってしまうところですよね。
後々は単身赴任が解除されることを考えると、
住民票は家族のもとに残しておいたほうが、
余計な手続きをしなくて済むので、便利じゃないかと思います。
ただ住民票を移さない場合、
行政関係の連絡(健康診断など)は、
すべて家族のもとに届きます。
家族と連絡が密に取れるようにしておかないと、
重要連絡を見落とす可能性があるので、その点は良く注意をしておきましょう。
ちなみに、確定申告をする場合、
必ずしも住民票のある自治体で確定申告しなければいけない、
というルールにはなっていないようです。
関連ページ:住民票移さないとどうなる?デメリットは罰金?理由は住民税?
医療費控除はできる?
単身赴任すると、別居状態になるので、
家族の誰かが病気をケガをして大きな医療費が発生しても、
医療費控除を受けられないじゃないか?
そんな不安があるかもしれませんが、
単身赴任中でも医療費控除を受けることができます。
医療費控除を受ける条件として、
「生計を一にしている」というものがあるんですが、
これは別に同じ場所に住んでいなくても良いんです。
逆に子供が大学に通うために一人暮らしをしていても、
病気で医療費をたくさん支払った場合には、
医療費控除を受けることができるんです。
関連ページ:確定申告期間中に医療費控除|領収書も医療費控除の必要書類
単身赴任で住宅ローン控除は受けられる?
医療費控除の条件は非常に緩いんですが、
住宅ローン控除に関しては条件がかなり厳しくなります。
そもそも単身赴任は法律上、「非居住者」となって、
住宅ローン控除を受けることはできません。
けれども特例として、
定期的に帰宅している実績などがあれば、
「居住者」と認められて、住宅ローン控除を受けられるんです。
たとえば、家族みんなで暮らしていて、
自分が単身赴任することになった場合には、
住宅ローン控除はもちろん受けることができます。
それに対して、下記のような場合には、
住宅ローン控除を受けることができないんです。
1.家を新築したけれど、完成前に単身赴任することになった
2.家族も誰も住まず、空き家になった。もしくは誰かに賃貸している
住宅ローン控除を受ける条件として、
- 建築後6ヵ月以内に入居を開始
- 家族の誰かが住み続けている
というものがあるからです。
ただ1.の場合に関しては、単身赴任が終わって家に戻り、
住宅ローン控除を受けられるだけのローン残高がまだ残っていれば、
控除を受けることができます。
本来なら受けられるはずの住宅ローン控除を全て受けられなくなるものの、
控除してもらえるのはありがたないので、また住宅ローン控除の適用条件を満たしたら、
必ず住宅ローン控除の手続きをしておきましょう。
参考サイト:住宅ローン控除を受ける条件と手続きをチェック! | WELLHOMES
住宅ローン控除の特徴のひとつに、どんな物件でもこの控除を受けられるわけではないことがあります。一定の条件を満たした場合にのみ、控除を受けられるのです。早速、その条件を見ていきましょう。
まず、新築のケースを見ていきます。
- 住宅の床面積(登記簿面積)が50平米以上あること
- 床面積の2分の1以上が自分の居住用であること
- 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
- 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
- 住宅を取得後、6ヵ月以内に入居していること
二世帯住宅の場合の住宅ローン控除は?
自分の家族と両親で同居をしていて、
単身赴任で自分の家族全員が移動する場合。
親子が扶養の関係にあるかどうかが大切になります。
つまり、「親の生活を子(自分)が支えている」
と認められれば、住宅ローン控除を受けることができます。
海外赴任で単身赴任する場合
単身赴任中は住宅ローン控除
をしてもらうことはできませんでした。
法律上、完全に「非居住者」という扱いに
なってしまうからです。
ただ平成28年度の法改正で、
海外赴任をした海外居住者で引き渡し時に日本にいなくても、
住宅ローン控除を認めもらえるようになりました。
もしくは海外赴任先から帰国をして
また住み始めた場合、ローン残高が残っていれば、
住宅ローン控除を受けることができます。
関連ページ:海外赴任前で英語話せない|英語できない子供向け英語勉強法は?
確定申告の特定支出控除について
給与所得者の特定支出控除というのが、
法律で認められるようになりました。
業務上必要な出費を個人で負担した場合に、
出費を控除に加えられる制度です。
参考:国税庁
No.1415 給与所得者の特定支出控除|国税庁
その年中の給与所得控除額の半分よりも、
自分の負担した出費が多い場合、
その差額が控除の対象となって、
課税所得を減らすことができます。
たとえば、たとえば年収400万円の場合、
400万円X0.2+54万円=134万円
が給与所得控除額となります。
この半分ですから、
67万円以上を個人で負担していた場合、
特定支出控除を受けることができます。
参考:国税庁
No.1410 給与所得控除|国税庁
単身赴任中に家族のもとへ戻る旅費も、
特定支出控除で認められる費用なんですが、
問題は、前述のようにかなりの金額を使わないと、
控除してもらえる金額に達しないこと。
さっきの例で行けば、
毎月5~6万円使い続けてようやく、
控除の対象になります。
何とか控除の条件を見対しても、
控除を受けられる金額が1万円とか2万円だと
還付してもらえるお金なんて微々たるものです。
還付金は2000円とか4000円にしかならないので、
書類を作成する手間を考えると、
割に合わない?と感じてしまいます。汗
業務に必要だった書籍や作業服の費用も、
特定支出控除で認められる費用ではあるものの、
会社から証明書を発行してもらわなきゃいけないので、
やっぱり使いにくい控除制度という印象があります。。汗