インフルエンザにかかると、
味覚がいつもとは違った感覚になる症状が起きることがあります。
甘くもない食べ物が甘いと感じることがあれば、
酸っぱいものを苦いとかしょっぱいと感じることもあります。
こうした味覚障害は、インフルエンザとどんな関係があるんでしょうか?
放っておいても治るものなんでしょうか?
目次
インフルエンザ予防接種で味覚障害が起きることも
ごくまれなケースなんですが、
インフルエンザの予防接種の副作用(副反応)で
味覚障害が起きることもあります。
ただ、症状はそれほど重くならないし、
長く続くわけではないので、特に治療が必要というわけではありません。
関連ページ:
味覚障害は鼻づまりによる影響も
味は嗅覚(香り)と強い関係があります。
インフルエンザの影響で、鼻がひどく詰まってしまうと、
味がわかりにくくなってしまいます。
この場合は、味覚が変わるわけじゃなくて、
味が鈍るとか、味を感じなくなるとか、そういった感覚になりますね。
インフルエンザで味覚を感じる細胞が損傷
私たちの舌には味を感じる小さな組織、
味蕾(みらい)というものがあります。
味細胞(みさいぼう)の集まりなんですが、
インフルエンザの高熱によって、細胞が破壊されたり、
細胞の働き邪魔されることがあります。
もしくは味を脳に伝える神経の働きが、
高熱によって正常に機能しなくなり、
味がおかしくなっているとも考えられます。
いずれにしても熱が引けば時期に収まるので、
症状は2,3日くらいで治ることが多いんですが、
1ヶ月以上長引くこともあります。
破壊された味蕾を元に戻すには、
サプリ等を使って亜鉛を補給するのがオススメです。
関連ページ:インフルエンザで食欲戻らない?逆に食欲旺盛?どういう症状?
インフルエンザで嗅覚障害も併発している場合
味覚が変だと感じるのは、
鼻づまりの影響も考えられますが、
嗅覚そのものに障害が起きていることも考えられます。
においの情報を脳に伝える
嗅細胞と嗅神経は鼻腔のちょっと上にあります。
インフルエンザによって鼻腔内の粘膜がひどく延焼されることによって、
嗅細胞と嗅神経に被害が広がっている可能性が考えられます。
もしくは、嗅覚受容器と言って、
鼻の内側の粘膜にある特殊な神経細胞があり、
この組織に異常が起き手いる可能性もあります。
味覚障害が起きている場合と同じく、
高熱による一時的な障害なので、
熱が引くにつれて感覚は元に戻ってきます。
味覚障害の症状が長引く場合
熱が引いても味覚が元に戻らない。
苦みを余計に強く感じる場合、
口腔カンジダ症になっている可能性もあります。
口腔内でカンジダ菌というカビの感染が
広がっているんです。
カンジダ菌自体は、そもそも
口の中にもともと存在しているんですが、
インフルエンザによって免疫力が下がったせいで、
異常繁殖することがあるんです。
口腔カンジダ症になると、味覚がおかしくなるだけじゃなくて、
舌に白い苔のようなものが見られる口腔内が腫れて厚いもの飲むとヒリヒリする
といった症状も同時に起こり得ます。
参考サイト:口腔カンジダ症 – 病気や症状等の医療情報をわかりやすく 医師・病院と患者をつなぐ医療検索サイト|メディカルノート
口腔カンジダ症とは、真菌の一種であるカンジダ菌による口腔内疾患のひとつです。口腔カンジダ症の発症には、加齢、ステロイドの使用、がん、化学療法中のほか、唾液量低下や義歯の不良なども関係していることがわかってきました。
口腔カンジダ症の予防と対策
対策としては、通常通り、歯磨きで対応します。
特に口の中が乾燥してしまうと、菌が繁殖しやすくなってしまうので、
マスクをして十分に保湿することが、予防&対策にかかせません。
関連ページ:マスクの裏表|マスクのプリーツ上下は?ツルツルは裏表のどっち?
亜鉛で味覚対策
味覚を元に戻すにはミネラル分の亜鉛を
体に補給してあげるのが良いです。
亜鉛には舌にある味覚組織、味蕾の生まれ変わりを
促す作用があるからです。
壊れた味蕾の代謝を促して、
新しい味蕾の生成をサポートしてくれます。
亜鉛が多く含まれる食品としては、
レバー、うなぎ、牡蠣などがあります。
ちなみに、亜鉛は不足しても取りすぎても、
体に悪影響を与えてしまうため、
一日の摂取量上限(100mg以内)を、
超えないように気を付けるようにしましょう。
参考サイト:亜鉛の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット – 長寿科学振興財団
通常の食事による、亜鉛の過剰摂取の可能性は低いですが、サプリメントなどによる過剰摂取の結果、銅欠乏、貧血、胃の不調など様々な健康被害が生じることが知られているため、耐容上限量は18~29歳の男性で40mg、30~69歳の男性で45mg、70歳以上の男性で40mg、18歳以上の女性で35mgと設定されています