エンジンブレーキの使い方・燃費|坂道・雪道アイスバーン・高速道路だと?

雪道・坂道でのエンジンブレーキの使い方に
ついて解説するまえに、
僕が実際に遭遇した怖いエピソードを紹介します。

北海道にまた住んでいたころ、
冬に道東を車でドライブ旅行したことがありました。

根室や釧路、網走なんかへ行ってみたわけです。

旅行も終盤の終盤になり、
北見と旭川の間にある峠を旭川に向かって下り始めていた時。

ふと気が付くとABSだったかブレーキだったかわかりませんが、
とにかくブレーキ関係の異常を知らせる警告ランプが
点灯していることに気が付きました。汗

運が悪く、僕の車は峠の下り坂を下っている真っ最中。
ブレーキなしにはとてもじゃないですが
峠を下ることなんてできません。

ブレーキに何らかの異常が出ている上に、
同乗者の一人が後10時間くらいでバイトが始まる
という状況だったため、何が何でも札幌へ帰らなければいけない状態

その時に僕らを救ってくれたのがエンジンブレーキでした。

すがるような思いで車が加速するのを食い止め、
ノロノロと峠を下っていき、札幌と旭川の平地も
フットブレーキを極力使わずに済むように、そろ~~っと運転して帰ってきました。

この経験を踏まえて考えるならば、
エンジンブレーキでもかなり運転はできます。笑

エンジンブレーキが最も効果を発揮するのは、
ブレーキパッドの節約なんかではなくて、
坂道や雪道を運転している場合じゃないかと思います。

自分では全く意識していなかったのですが、おそらくは、
長距離運転をして、知らない間にブレーキを使いすぎてしまい、
後で説明するフェード現象やペーパーロックが起きていたんじゃないかと感じます。

峠道を下りに差し掛かって、
フットブレーキの使用頻度が増したことによって
臨界点を突破して警告ランプが点灯したように感じるわけです。

いずれにしてもフットブレーキを
多用しすぎ・使いすぎるのはあまり良くはありません。

関連ページ:スタッドレスでもアイスバーンは滑る|ABSもブラックアイスバーンに無力?

まずフェード現象とは、ブレーキディスクとブレーキパッドが摩擦しすぎて
どんどん熱くなってしまい、その結果、
ブレーキディスクとブレーキパッド同士の摩擦力が低下。
減速効果が奪われることを言います。

そしてペーパーロックとは
ブレーキフルードというブレーキパッドを押し出す
ピストンをつなぐ液体の温度まで上昇して
沸点近くに達して気泡が発生するようになってしまうことにより、

ブレーキを踏んだ時の圧力が気泡を押しつぶすことに使われ、
減速効果が失われることを言います。

フットブレーキだけじゃなくてエンジンブレーキも使うことで、
フェード現象・ペーパーロックの両方とも防ぐことができます。

より安全に雪道・坂道を下っていることができるわけです。

マニュアル車の場合には5速から3速、
4速から2速と言った感じでシフトダウンすれば良いですし、
オートマ車の場合にはDレンジからSレンジ(2レンジ)へ
シフトチェンジすると良いですね。

もしくはオーバードライブボタンがあれば
それを使っても良いです。

ただこの時はくれぐれも、
エンジン回転数が急激に上がらないように気を配り、
エンジンやトランスミッションへ過剰な負荷をかけないように
注意をしましょうね。

そもそも雪道に強いと言われている車とか、
4WD車であれば、他の車がツルツル滑ってるような路面でも、
タイヤがかなり雪道をグリップしてくれて、ほとんど滑らない、ということがあります。

関連ページ:雪道に強い車|外車はアウディ?北海道で雪道に強い車の定番は?

エンジンブレーキを使う際には
もう一つ注意してもらいたい点があり、
それが後続車への減速を知らせるサインです。

後続車が慣れている人であれば、
あなたの車がエンジンブレーキを使って
減速していることを察してくれるかもしれませんが、

慣れていない人だったりすると、
ブレーキランプが点灯していないから
減速しているなんて想像つかない人もいるわけです。

そういうドライバーのために、
ブレーキランプを点灯させる目的でフットブレーキを軽く踏み、
減速していることを知らせるようにしましょうね。

エンジンブレーキと燃費@かけ方で変わる?

エンジンブレーキを使うと回転数がポーンと跳ね上がるから

燃費には良くないんじゃないのか?みたいに考える人がいますが、
それはちょっとおかしな考えですね。

そもそも
エンジンの回転数=燃料の消費量
ではありません。

燃料をどのくらい消費するのかはあくまでも
アクセルペダルをどれだけ踏んだか?
に大きく依存することになります。

つまりアクセルオフ(アクセルから足を話している状態)で
エンジンブレーキをかけ、エンジン回転数があがったとしても、
それがエンジンがいわば一人で回っているだけ。

燃料は一滴も消費されているわけではありません。

フットブレーキのように急激に減速させるのではなく
エンジンブレーキでゆるゆると減速したほうが、
速度を回復させるときに復帰しやすく、その分、
燃費効率が上がります。

だからと言ってエンジンブレーキを効かせれば、
アクセルオフにしていれば、
ガソリン節約になるわけではありません。

エンジンの構造として、現在のギアに合わせた
最低限のエンジン回転数を保つ仕組みになっています。

これは再加速したり発進するときに
スムーズにエンジンを動かして車を動かすためです。

そのため、だいたい1500~2000回転くらいまで落ちてくると、
今度は回転数を維持するためガソリンを
消費するようになります。

回転数があまりにも落ちてきた場合には
アイドリングと同じような状態になってしまうわけです。

ちなみに、坂道を下っている最中に
ギアをニュートラルに入れれば
ガソリンが全く消費されなくなって
燃費に良いだろうと考える人がいますが、
上の理屈から逆にお勧めできません。

エンジン回転数が2000くらいを下回ってしまうと
いずれにしてもアイドリングに近い状態になります。

ニュートラルに入れるよりもむしろ
ローギア(1速とか)に入れて、
2000回転以上を維持するようにした方が
結果としてガソリン節約なるようです。

他にもタイヤの状態が燃費には大きく影響します。

タイヤの空気圧が低すぎると、
タイヤと地面の設置面積が広くなってしまい、
その分、道路の抵抗を強く受けるようになるので、
ガソリンをより多く消費するようになります。

関連ページ:タイヤの空気圧は高め?低め?スタッドレスタイヤの空気は?

タイヤの空気圧は、普通に運転していても徐々に減っていくし、
タイヤを履かないで車庫などに保管をしておくだけでも減っていきます。

タイヤの保管方法にも気を配ったほうが良いですよ。

関連ページ:タイヤ交換の目安@工賃の相場は持込でも高いから自分でやってみよう。

もしタイヤの側面にひび割れなどの異常が見られる場合には、
タイヤのじゅむ用が来ている可能性が高いので、
早目のタイヤ交換をおすすめします。

関連ページ:タイヤひび割れ原因と補修・交換時期|側面のひび割れは大丈夫?車検は?

エンジンブレーキを使うと、
フットブレーキを使う場合に比べて
ブレーキディスクとブレーキパッドの
摩擦を起こさなくなります。

ブレーキパッドの消耗・劣化を抑えることができ
消耗品の節約につながるといったメリットがあります。

フッとブレーキを使うとキーキーと音鳴り(ブレーキ鳴り)するのは、
ブレーキディスクとブレーキパッドのどちらかが劣化している可能性があります。

関連ページ:車ブレーキのキーキー音修理代|雨・低速でブレーキキーキー鳴る原因

ブレーキパッドを交換する場合の工賃・部品代は
1か所で1万円くらい。

4か所全部変えるとなると
5万円以上の費用がかかるケースも
珍しくありませんから、
かなりの節約効果はあると思います。

なので普通に街乗りしているときにも、
赤信号で完全に停止しなければいけない場合は除いて、
エンジンブレーキを使うと良い!
ということもできます。

ただ、エンジンブレーキでゆるゆると減速し続けていると
後続車にしてみればスピードが落ちていることがわかりにくく、
おかまを掘られる事故につながりかねませんので、
適度にフットブレーキも織り交ぜるようにしましょうね。

関連ページ:車間距離目安|高速道路・雪道・停止時は?空けすぎ車間距離は?

車のエンジンブレーキとは?仕組みは?

車には3つか4つの減速装置があり、
最も使用頻度が高いものと言えばフットブレーキですよね。

アクセルペダルの右にあるブレーキペダルを踏むことによって、
ブレーキディスクとブレーキパッドの摩擦が生じて減速していきます。

他にも、ABS(アンチロックブレーキシステム)や
サイドブレーキがあるわけですが、
フットブレーキの次に使用頻度が高いものといえば
間違いなくエンジンブレーキです。

エンジンブレーキとは
ギアの回転によって生じる制動力を利用して減速をすること。

制動力とは何か?というと、
回転しているエンジンの運動エネルギーが徐々に失われていき、
それが結果として減速する効果を生み出すこと。

イメージとしては
回っている駒が徐々に回転力を失って
しまいには倒れてしまう感じに似ています。。

仮にギアが4速になっていて
エンジンの回転数が2000回転だったとします。

この状態からギアを3速に変えた場合、
一時的にエンジンの回転数があがり
3000とか4000回転とかまでアップします。

速く回転していればいるほど、
回転が遮る力が強くなるんです。

高回転の状態を維持するためには
それなりのエネルギー(燃料)が必要になるものの、
アクセルオフ(アクセルから足を話している状態)だと
エンジンを動かすエネルギーがゼロです。

つまり回転を維持する力よりも
回転を減らす力の方が上回るようになります。

それがトランスミッションを通じて
タイヤの回転数を半強制的に減らすことになるため、
減速効果につながるというわけです。

エンジンブレーキでエンジンやトランスミッションへの負担は?

エンジンブレーキを発生させる・しないにかかわらず、
シフトダウンさせることでエンジンの回転数があがります。

回転数の差が大きければ大きいほど
それだけギア比による制動力(エンジンブレーキ)が強くなり、
より強い減速効果が生み出されます。

回転数が5000も6000にも上がった場合、
エンジンやトランスミッションへの負担はどうなるのでしょうか?

5速からいきなり2速・1速へと速度を落とした場合、
エンジンの回転数が急激に高まるわけですが、
これがエンジンやトランスミッションへ悪い影響がないわけがありません。

車は一般的に「急」がつくことをやればやるほどダメージを受けるといわれていて、
急発進・急ブレーキのほか、急ハンドル・急加速も車の状態を悪くするといわれています。

それと同じようにシフトダウンによってエンジンの回転数を急激に上げるのも、
エンジンには決して良いわけではありません。

エンジンブレーキを使うにしても、
回転数が急激に上がりすぎないように注意をしましょう。

特にスピードが出ている状態から1速へとおとそうものなら、
一発でエンジンがやられる可能性もありますから、くれぐれも注意してくださいね。